インラインスケートの消費カロリー測定方法を調べる

しばらく放置してしまった、活量計でのカロリー測定について調べたので書きたいと思います。

インラインスケートをしているときの測定値が Runkeeper と Fitbitで 倍半分近く違っていたので、どちらを信じるのがよいか、という調査をしました。
結果は、どちらがよいとも言えませんでした。

ということで、どちらを選んでもよいのですが、自分としては引き続き Runkeeperの結果を見ることにしました。

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発端

Runkeeperで測るインラインスケートの消費カロリーが4METs程度と小さく見えます。同時刻の Fitbitの消費カロリーはその2倍近い値が出ていました。
どちらを信じるのがよいか、一度調べてみようと思いました。
wumiwumi.hatenablog.com

Runkeeper, Fitbitの消費カロリー計算方法

まずは、どんな測り方をしているか確認しました。

  • Runkeeper*1
    • 位置情報から消費カロリーを計算している。
    • 基本的にはスケートでのロングランを想定して消費カロリーを計算している。
    • 安静時代謝込み
  • Fitbit*2
    • 心拍数を考慮に入れている。ウォーキングとして計算している。
    • 安静時代謝込み

消費カロリー測り方はこんな状況

消費カロリーの正しい測り方

厚生労働省の e-ヘルスネットで概要が説明されています。

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

いくつか方法はあって、

  • 直接体から出る熱を測る
  • 活動中の呼気中の酸素・二酸化炭素量を測って計算する

というところがメジャーのようです。どちらも特別な設備が必要で、気軽に測れるものではないとのことです。

活量計の消費カロリー精度は低かった

Lifehackで、活量計の消費カロリー精度を調べた研究を紹介しています。対象とした活量計の消費カロリーは誤差が大きい結果だったとのことです。

カロリー消費量の測定機能がある5つのデバイスの誤り率は、20%から93%の範囲であることがわかりました。

科学者たちは、非医療用だとしても、誤り率は10%未満であるべきだと言っています。

www.lifehacker.jp

元の論文

元の論文も見られるようなので確認すると
www.mdpi.com

論文要約(Abstract)の記述ですが、EE(energy expenditure, エネルギー消費量)については

No device achieved an error in EE below 20 percent.
(EEで20%を下回る誤差のデバイスはなかった。)

とあり、エネルギー消費量の誤差が大きいことは分かります。

正確に測れると謳った活量計でも苦手がある

正確に消費カロリーを測れることを売りにした商品もあります。
www.tanita.co.jp

消費カロリーを計測する「呼気分析法(間接熱量測定)」のデータと3Dセンサーから得られるデータに登録した個人の体組成情報を組み合わせ、タニタ独自の方法でより正確に消費エネルギー量を推定しています。


ただ、下記のように苦手もあるようです。
www.tanita.co.jp

Q.足踏みでは、歩数や消費カロリーは正しくはかれないの?

A. 足踏みでは、歩数をカウントしないことが多いです。
同様に、消費カロリーも正しくはかれないことが多いです。

Q.階段の登りはカロリーを消費しないの?

A. 消費はしていますが、3Dセンサーを使用した測定方式のため正しくはかれない場合があります。
しかし、長時間でなければ全体の活動量に支障はありません。


また、スポーツ時の活動量は参考値として見てほしいとも言っていますね。

Q.アスリートは使用できますか?

A. 日常生活の消費カロリーを測定するように設計されておりますのでスポーツ時の活動量も表示しますが、参考値としてご覧ください。
例えばサッカーをしていて、昨日は300kcal、今日は400kcalであるなら、昨日より多く動いているということになります。ただし、運動の種類によっては正しく測定できない場合があります。(ウェイトトレーニングや坂道ダッシュなど)

結果 : 活量計の消費カロリーは推定値。前提条件を外れると誤差も大きくなる可能性が高い。

ある意味当たり前ですが、活量計は、加速度センサのデータや心拍数などを使って消費カロリーを推定する仕組みであることは分かります。
推定なので、推定値自体も誤差を含みますし、推定の前提条件からはずれると、誤差も大きくなるのはやむを得ないところです。

それでどうするか

インラインスケートで滑ったり止まったりを繰り返す自分の場合、 FitbitとRunkeeperのどちらの前提条件にもあまり合わないことが分かります。このため、どちらが正しいか、という議論にはあまり意味がないと判断しました。あくまで参考値として、相対比較に使っていこうと思います。

どちらを使うか…ですが、Runkeeper の方がスケートを想定した計測になっている点を評価して、こちらを採用しようと思います。